ブロード・リスニング

高齢化、政治的無関心、そして停滞したシステムに直面する日本で、AIエンジニアでありSF作家でもある安野貴博が新しい政党「チームみらい」を立ち上げる。彼らの目標は、デジタル時代にふさわしい民主主義へとアップデートすることだ。

制作メンバー募集:日本在住のコラボレーターを求めています

本作は現在制作中であり、日本語でコミュニケーションができるコラボレーターを募集しています。監督・プロデュースから撮影・録音、翻訳、制作サポートまで、どのような形の参加も歓迎します。

テクノロジー、政治、ドキュメンタリー制作の交差点に関心のある方は、hello@leonelki.com までご連絡ください。

作品について

『ブロード・リスニング』はSFドキュメンタリーであり、安野と若いエンジニアたちが政治をより透明で参加しやすくするためのオープンソースツールを構築する姿を描き出します。日本で最も新しく最も若い政党として、彼らが日本の硬直した政治の枠内で「ブロード・リスニング」という構想を実現しようと奮闘する過程を追います。

さらに本作は近未来にも踏み込み、共同制作された思索的なSFシーンを通じてチームみらいが目指す世界を可視化します。そこに描かれるのは技術的なディストピアではなく、デジタルツールがより意味のある、深く関与する民主主義を実現した「共有された現実」です。現在の政治的現実と未来の可能性を織り交ぜながら、『ブロード・リスニング』は日本の民主主義がアップデート可能かどうかを探ります。

詳細

  • 監督Leo Nelki
  • 脚本Leo Nelki
  • 作品タイプクリエイティブ・ドキュメンタリー
  • 制作年2026
  • 上映時間35分
  • ステータス制作中

より詳しい背景:世界のデジタル民主主義ムーブメント

安野貴博の活動は、テクノロジーを用いて民主主義のプロセスを再発明しようとする、世界的に広がるムーブメントの一部です。過去数十年間、ソーシャルメディアのようなデジタルツールは社会の分断を増幅させることが少なくありませんでした。この「シビックテック」の新しい波は、その逆を目指します。すなわち、合意形成と協調のために設計されたシステムを構築することです。

このムーブメントの核心的な哲学的指針となっているのが、台湾の初代デジタル大臣オードリー・タンと経済学者グレン・ワイルが共著した書籍『Plurality』です。本書は、社会的な差異を乗り越え、多様性を進歩のための力として活用するテクノロジーの設計を提唱しています。

その最も著名な実践例が、台湾の先駆的なプロジェクト「vTaiwan」です。これはオンラインとオフラインを組み合わせたプロセスで、市民、専門家、政府関係者が複雑な国家的課題について熟議を行います。vTaiwanは「Polis」のようなツールを活用し、Uberの規制やAIガバナンスといった対立の激しいテーマで見事に合意形成を成功させてきました。

Polis自体が重要なイノベーションです。非営利団体Computational Democracy Projectによって開発されたこの対話プラットフォームは、エンゲージメントの最大化ではなく、異なる意見グループを横断する「集団が情報を共有した上での合意」を機械学習によって見つけ出すことを目的としています。

日本でもこの動きは勢いを増しています。安野の政党「チームみらい」と、彼が立ち上げた超党派のプロジェクト「デジタル民主主義2030」は、これらの原則を日本の文脈で応用し、政治の透明化や市民の熟議のためのオープンソースツールを開発しています。また、兵庫県加古川市のような自治体では、「Decidim」といったプラットフォームを用いて市民をまちづくりに参加させる実験が行われています。これらの取り組みは、21世紀にふさわしい、より応答性が高く、強靭で、参加型の民主主義を構築するための世界共通の実験なのです。

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